今回は、こんな質問に答えます。
この記事を書いた人
この記事を書いている僕は、現役の商社マンです。新卒での配属は希望していた営業ではなく、経理部に配属になりました。配属リスクについては自分がよくわかっているので、経験をもとに解説します。
目次
配属リスクとは
配属リスクとは、入社後に自分の希望とは異なる部署に配属されるリスクのことを指します。例えば、メーカーの営業職希望で入ったら技術職に配属されたなどですね。
企業によってはあらかじめ「営業職と技術職を別々の枠で採用する」というような形で新卒採用をしているところも多く、その際は全く違う職種に行くリスクは低いです。ただ、希望していた商品を扱う部署に行けないなどのリスクは依然として残ります。
なぜこのようなことが起こるのかというと、企業側は人員の最適配置をしようとするからです。つまり、新卒を配属する際に成果が一番出るように配属を決めるということですね。
当然、この配属の仕方では自分の希望に沿わない部署に配属される人も出てきてしまいます。最終的に配属を決める権利は人事が持っているので、どうしてもこのリスクをゼロにすることは難しいです。
総合商社の配属リスクは高い
数ある企業の中でも、特に配属リスクが高いと言われるのが総合商社です。主な理由は以下の3つです。
総合商社の配属リスクが高い理由
① 営業職と職能で配属が大きく別れる
② 部署ごとにやっていることが全く違う
③ 同じ商材をずっと担当する
内容について見ていきましょう。
① 営業職と職能で配属が大きく別れる
まず、最大のリスクが営業職に配属されるか、もしくは職能に配属されるかです。
営業職はそのまま、他社との交渉をしたり窓口になる花形です。それに対して職能とは、経理や人事などのいわゆるバックオフィス作業のことを言います。自社の運営や営業のサポートといった業務がメインだと捉えてください。
基本的に総合商社の新卒採用では、総合職という枠で採用がされます。そして、その後の配属面談を経て営業職、もしくは職能への配属が決まります。
商社を志望する学生の大半は営業職を希望するので、職能に配属になると、あまり興味のないサポート的な役割の仕事をやることになります。ここで心が折れてしまって、2〜3年で退職するという人も一定数いるのが事実です。
それほど、営業職に配属されるか職能に配属されるかという問題は将来のキャリア的にも重要なのです。
② 部署ごとにやっていることが全く違う
総合商社の配属リスクが大きい理由の2つ目は、部署ごとにやっていることが全く違うということです。
部署が違えば、業界も扱っている商材も全く異なってくるのが総合商社の特徴です。つまり、エネルギー関係の部署に行きたかったのに、ジャガイモの栽培に関わる部署に配属されるなんて事態もありうるわけです。
これがメーカーなら、部署によって商材は異なっても業界という軸ではそこまで外れません。それに対して、総合商社は扱っている商材が複数の業界にまたがって多岐に渡るのでこのようなリスクが大きくなります。
総合商社に入社したら、自分の希望とはかけ離れた商材を取り扱う可能性があるということは頭に留めておきましょう。
③ 同じ商材をずっと担当する
最後の理由は、配属されたら同じ商材をずっと担当することになるということです。
総合商社は背番号制という風習があって、新卒で配属された部署あるいは部門でずっと業務を担当するという風潮があります。つまり、石油関連の部署に配属されたら、多少の部署移動はあっても基本的には定年まで石油関連の仕事をするといった流れです。
もちろん、制度的には移動申請も出すことはできるのですが、希望が叶う可能性はそこまで高くないというのが現実です。したがって、新卒時に意に沿わぬ配属をされた場合、年次が上がって将来に希望部署に移動するというのが困難なのです。
この風潮により、一度配属されてしまとい希望に沿わない仕事を定年までやり続けるという事態に陥ってしまいます。最終的にその部署に馴染めたり、仕事が楽しくなれば良いでしょう。ただし、不満を抱えたままだとそれが解消されることがほぼなく、苦しい会社員生活になります。
希望する部署に配属されるためにすること
さて、総合商社に就職すると配属リスクが高いということについては説明しました。では、内定が決まった後に希望の部署に配属されるために何をすれ良いのでしょうか?
答えは、配属面談に本気で取り組むことです。
人事側は、基本的に内定後に配属面談を行ない、その情報をもとに配属部署を決定します。ここでは、配属面談で希望の部署に行く可能性を高くするために取るべき行動を解説します。
配属面談で取るべき行動
① 面談で行きたい部署を明確にする
② 他の部署では嫌だと答える
③ 就活の面接と同じく堂々と答える
順番に見ていきましょう。
① 面談で行きたい部署を明確にする
まず、面談では行きたい部署を明確に絞って伝えましょう。
例えば、「自動車関連の仕事がやりたいです」というよりは「自動車メーカーの〇〇車の車を扱いたいです」など、なるべく具体的に伝えることがポイントです。
志望を明確にすればするほど、人事からしたら将来活躍するかどうかイメージしやすいのです。大雑把に志望を伝えていると、その範囲で人事側に勝手に決められてしまうので、やりたいことが明確なら細部まで伝えてください。
② 他の部署では嫌だと答える
配属面談では、「仮に希望と違う部署に行っても大丈夫?」と聞かれることがあります。
このとき、あなたがすべきなのは「他の部署では嫌です」と言うことです。
採用面接とは違って、配属面談では内定を取り消されるなんてことはありません。なので、人事に忖度せずにハッキリと自分の意思を伝えましょう。
中には怒ってくる場合もあると思いますがその場合でも自分の意思はしっかりと伝えるべきです。
むしろ、「他の部署でも精一杯頑張ります!」などと答えると、人事からしたら配置しやすい駒になってしまいます。多少怒られてでも自分の希望をしっかりと伝えましょう。
ここでためらうと、希望の部署に行けなかったとき後悔が残ります。
③ 就活の面接と同じく堂々と答える
配属面談の時、内定者だから優しくくるんだろうなと甘く思っていませんか?むしろ逆で、厳しく詰められることすらあります。
なので、就活の時と同様に堂々と受け答えしましょう。ここで下手に萎縮していると、営業に向いていないと判断されて職能に配属される可能性が上がります。
先にも述べましたが、この面談で内定を取り消されることはありません。自分をアピールしないほうがデメリットになりますので、堂々と人事に対して受け答えしましょう。
あなたの配属希望を伝えることのできる最後のチャンスです。言いたいことを言うようにしてください。
まとめ
今回は、総合商社の配属リスクについて説明しました。商社の配属リスクは他の企業と比べると高く、内定をもらっても気を抜けません。
商社を目指す人は、自分の行きたい部署に行けない可能性が高いことを認識しておいてください。また、配属に関しては内定後の配属面談に全てがかかっています。
配属面談で取るべき行動
① 面談で行きたい部署を明確にする
② 他の部署では嫌だと答える
③ 就活の面接と同じく堂々と答える
上記の3つのことを意識して、自分の希望をはっきりと伝えてください。
あなたが希望の部署に配属されることを願っています。
今回はこれで終わりです。